大潮の日に釣りに行くと釣れる!という声をよく聞きますが、「大潮=釣れる」がどういうメカニズムで成り立っているのか、大潮で釣りに行くと本当に釣れるのか?という点について、これまでの経験も交えてまとめてみました。
大潮はそもそも釣れるのか
大潮はなぜ釣れると言われているのか
大潮など潮がよく動く日は、海中のプランクトンも潮に乗ってよく動くため「(潮が最もよく動く)大潮だと釣れる」と言われています。
海中のプランクトンがよく動く→プランクトンを追って海中の小魚がよく動く、食欲が活性化する→小魚を追ってフィッシュイーター(シーバス、青物、ヒラメ)などが活発化するというように、食物連鎖の観点から「大潮の日は釣れる」ことが説明されます。
大潮でも意外と釣れないという声も
私も釣りを初めて間もないことは、とにかく大潮の日を狙って釣りに出かけていました。しかし、大潮でも釣れない日は釣れないですし、大潮でもいろいろな条件が重なると、明らかに「大潮だと釣れる」が成り立たないことがあります。
私は釣りに行く際、以下の条件が2-3個当てはまってしまうと、「大潮だけど釣れない可能性はあるな」と思いながら釣りに行っています。
大潮で釣れない要因
・アジ・イワシなどの小魚を狙っている
・潮回りが良いと言われているポイントでの釣り
・大潮×満月の夜釣り
・大潮×満月の翌朝
・船釣り
以下で大潮で釣れない条件について説明していきます。
大潮の日は釣れる魚と釣れにくい魚が存在
大潮だと釣れるのか?を考えるときに、魚種による釣れやすさ・釣れにくさがあります。プランクトンの動きから始まる食物連鎖の観点から言うと、大潮であればどんな魚でも釣れやすいのではないか?と思ってしまいます。しかし結論から言うと、大潮のときにはアジ・イワシなどの小魚は釣れにくく、シーバスや青物などのフィッシュイーターは釣れやすいです。
大潮によって海が活性化すると、フィッシュイーターがアジやイワシなどの小魚を追って大暴れを始めます。するとアジやイワシの群れは逃げるのに必死になってしまいます。逃げるのに必死なアジやイワシは餌を食べているどころではないですし、アジやイワシが泳ぐ高さ(タナ)も大きく崩れてしまいます。結果として、アジやイワシは釣れにくくなることがあります。
一方、シーバスや青物は明らかに食いが良くなるため、釣れやすいです。
大潮の日の釣りはポイント選択に注意
大潮の船釣りは釣れにくい
大潮のときは波も大きく動いているため、船や仕掛けを一定に保つのが難しいです。船宿は大潮でもあまり影響を受けにくいポイントを熟知してしますが、特に釣り経験が浅い人はタナ取りやコマセワークなどの対応が難しいです。
大潮の日はポイントによっては釣れないことも
大潮の日は陸釣りでは防波堤や磯のポイント選択が非常に重要です。
これは船釣りでも同じですが、潮回りが良すぎるポイントでは仕掛けが流されすぎてしまって正しいタナが取れなかったりライントラブルが起きたりことや、魚を寄せるためのコマセが散ってしまい集魚効果を発揮しにくいということがあります。潮回りが良いポイントでは、比較的潮が流れていないポイントを探すなど工夫が必要です。
また大潮は干潮のときにかなり水が引いてしまいます。特に堤防や磯釣りの場合は、竿で届く範囲の水深が浅くなってしまい、魚が沖に出ていってしまって釣れないということが起こる可能性があります。大潮の際は足元だけではなく、ルアーや投げ釣りにも耐えられるタックル・仕掛けを準備しましょう。
大潮と月の満ち欠けの関係
大潮×満月は釣れない傾向
これは主に夜釣りの場合ですが、満月の大潮は釣りにくいと言われています。夜釣りで釣れやすい理由の1つに光による集魚効果があります。堤防周辺の常夜灯や船の明かりにより魚が集まってくる効果が期待できるからです。しかし満月の場合は月明かりによって、常夜灯や船の明かりが優位性を発揮しにくいということがあります。
また満月の日には魚にとってプランクトンや小魚が見えやすく、夜中に捕食活動を活発に行ってしまうため、翌朝以降も釣れにくいという説もあります。
大潮×新月は釣れる傾向
満月とは逆に新月の日は海が暗くなるため、常夜灯や船の明かりによる集魚効果が強いため釣れやすいです。人工的な明かりから離れている魚の捕食活動はあまり活発化しないため、少し明るくなった翌朝の朝マズメが特に釣れやすいと言われています。